就活の英語検査は何を測っているのか:TOEICと重なる部分と、重ならない部分
この記事の内容は 2026-09-07 時点のものです。
案内に英語が入っていると分かった瞬間、TOEICの勉強がそのまま使えるのかどうかが気になります。使えるなら手持ちの単語帳で足りますし、違うなら別の準備が要ります。
提供元が公開している英語検査の説明を読み比べました。測っているのは4技能のうち一部で、リスニングもスピーキングも入っていません。 引用は2026年9月7日時点の記載です。
目次
- 4技能のうち何を測っているのか
- SPIの英語能力検査は20分で30問程度
- TG-WEBのi9eはTOEICのReadingと同じ形式
- SCOAでは英語が5尺度のひとつ
- TOEICの勉強はどこまで流用できるか
- そもそも自分に英語が出るのか
- よくある質問
4技能のうち何を測っているのか
リクルートマネジメントソリューションズが学生向けに公開しているSPIの英語能力検査とは?には、測定範囲がはっきり書かれています。
英語能力は、語彙・文法の理解力とそれを用いる際の流暢さをベースとし、読解力(Reading)、文章表現力(Writing)、口頭表現力(Speaking)、聞き取り能力(Listening)の4技能によって構成されます。英語能力検査では、図に示すようにベースと読解力を測定しています。
測っているのは、語彙・文法という土台と、読む力だけです。 書く・話す・聞くは入っていません。就活の英語検査で耳を鍛える必要があるかどうかは、ここで決まります。
SPIの英語能力検査は20分で30問程度
分量も公開されています。
これらの力を多角的に見るために、以下のような測定領域の問題が20分間で30問程度、選択肢式で出題されます。
測定領域は3つです。
- 語彙力を問う問題:ある単語と同じ意味の単語を選択肢から選ぶ
- 英文の穴埋め:正しい英文になるよう、空欄にあてはまる単語を選択肢から選ぶ
- 長文読解:長文を読んで、その要旨として適したものを選択肢から選ぶ
1問あたり40秒の計算になります。 難易度の想定も書かれています。
語彙、英文穴埋め、長文読解などの形式ごとに、さまざまなレベルの問題が出題されますが、必要とされる知識(単語・文法)は、高校卒業レベルを想定して開発されています。
ページに載っている問題例を見ると、語彙問題は「link」と最も意味が近い語を5択から選ぶもの、長文読解はスコティッシュフォールドという猫の品種の成り立ちを説明する英文に3問答えるものでした。ページには正答と解説まで載っています。
なお「テストセンターでは、受検者の回答に応じて次に出題される問題が決まる、という方法が取られていますが、英語能力検査でも同様です」とも書かれています。人によって出る問題が違う仕組みはなぜ人によって出る問題が違うのかにまとめました。
TG-WEBのi9eはTOEICのReadingと同じ形式
もうひとつの提供元、ヒューマネージの知的能力検査のページには、英語能力検査i9eの説明が載っていました。
英語能力検査「i9e」は、「英語に関する能力」を15分で測定するアセスメントツールです。TOEIC®のReadingパートと同じ形式で出題します。i9eの基準レベルは、4年制大学卒業レベルとなっています。空欄補充、文書の読解問題から英語能力を問います。
さらに「※指数よりTOEIC®換算得点も算出します」という注記も付いていました。受けた結果がTOEICの点数に換算されて企業に届く形です。
2つを並べると差がはっきりします。
| 項目 | SPIの英語能力検査 | TG-WEB i9e |
|---|---|---|
| 時間 | 20分 | 15分 |
| 問題数 | 30問程度 | 公開ページに記載なし |
| 基準レベル | 高校卒業レベル | 4年制大学卒業レベル |
| 出題形式 | 語彙・英文穴埋め・長文読解 | 空欄補充・文書の読解 |
| 換算 | 記載なし | TOEIC換算得点も算出 |
想定レベルが1段違います。 同じ「英語が出る」でも、必要な準備の量は形式によって変わります。
SCOAでは英語が5尺度のひとつ
日本経営協会総合研究所の基礎能力 SCOA-Aで、英語は独立した検査ではありません。5つの尺度のひとつとして組み込まれています。
「言語」「数理」「論理」「常識」「英語」の5尺度があり、知力の基礎となる知能、知識とその応用力である学力、さらに常識の3つの内容を含んでいます。
同じページでは、この5つのうち「常識」「英語」が学力検査的内容による尺度だと説明されています。回答時間は45〜60分で、その中に英語も入る形です。
英語だけの検査として案内されるとは限りません。日本エス・エイチ・エルの製品での英語の扱いは英語が出るWEBテストはどれかに整理しました。
TOEICの勉強はどこまで流用できるか
公開情報から言えるのは、次の範囲です。
- 語彙と文法は共通の土台。 SPI側の説明でも「語彙・文法の理解力」がベースだと書かれています
- 読解も共通。 i9eは「TOEIC®のReadingパートと同じ形式」と明記されています
- リスニングは出てこない。 SPI・i9eのどちらも読解までしか測ると書かれていません
- 時間の感覚は別物。 20分で30問、15分という短さは、TOEICの2時間とは走り方が違います
提供元は、短期の詰め込みについてこう書いています。
英語能力検査の問題は基本的に「言葉の意味を適切に理解できているか」「英語で書かれている文章の内容が理解できているか」などを問うものです。したがって、一夜漬けで英単語を暗記すれば解けるというものではありません。
そもそも自分に英語が出るのか
実施の有無は企業次第です。SPI側の説明はこうです。
英語能力検査が実施されるかどうかは、企業によって異なります。入社後、英語での業務が必要となる企業、例えば、グローバルに事業を展開している企業や諸外国と深く関わっている企業などで出題される傾向があります。
テストセンターの場合、どの検査を受けるかは「日程・会場を予約する際に分かります」とも書かれていました。予約の画面まで行けば確定する、という順番です。企業によっては受検案内のメールで事前に知らせてくれる場合もある、とも書かれています。
案内から形式を絞るならWEBテスト形式判別ツールを使ってください。無料で、入力内容はどこにも送信しません。形式ごとの科目と解き方は普通の就活記録 WEBテスト解答集(1,480円・税込・買い切り)に主要17形式ぶんをまとめています。
よくある質問
Q. 英語だけ前回の結果を送ることはできますか?
SPIのテストセンターについては、性格検査・能力検査・構造的把握力検査・英語能力検査のそれぞれについて、新たに受検するか前回結果送信を行うかを選べる、と書かれています。過去1年以内にテストセンターで受検した経験があることが条件です。
Q. 前回の結果を送ったことは企業に分かりますか?
提供元のページには「なお、新たに受検したのか、前回結果送信を行ったのかが企業に通知されることはありません」と書かれています。
Q. TOEICのスコアを提出すれば免除されますか?
免除の可否について、今回確認した提供元のページには記載がありませんでした。企業ごとの扱いになります。
Q. リスニングは本当に出ませんか?
SPIの英語能力検査については「ベースと読解力を測定しています」と書かれており、聞き取り能力は測定範囲の外です。i9eも「空欄補充、文書の読解問題」と書かれています。他の形式については、それぞれの提供元の公開ページを確認してください。