就活が実際に動き出すのは何月か:政府資料の数字で見る
この記事の内容は 2026-09-07 時点のものです。
「WEBテストの対策はいつから」と検索すると、「早めに」「3年生の夏から」といった答えが並びます。根拠が書かれていることは少なく、どれを信じればいいのか決められません。
この記事では、その時期を推測ではなく調査結果から見ます。使うのは内閣官房が公開している資料です。先に結論を書くと、就職活動の主な動きは3月ではなく、その前年の9月以前に山が来ている、という数字が出ています。 以下は2026年9月7日時点の記載です。
目次
- 使った資料
- エントリーシートの初提出は9月以前が約4割
- 説明会の初参加も9月以前が約7割
- インターンシップから選考につながる割合
- 活動期間は9カ月以上が約5割に増えた
- WEBテストの準備をどこに置くか
- 数字を自分の予定に落とす手順
- よくある質問
使った資料
内閣官房「就職・採用活動日程に関する関係省庁連絡会議」が公開している、2027年度卒業・修了予定者の就職・採用活動日程に関する考え方(令和7年12月26日)です。いま大学3年生に当たる学年を対象にした資料です。
この資料の「2.最近の就職・採用活動の実態」に、内閣府による学部4年生および大学院2年生を対象としたアンケート調査(資料内では「学生アンケート」と呼ばれています)と、文部科学省による企業向けアンケート調査の結果が並んでいます。以下の数字はすべてそこからの引用です。
なお、この資料の3つの日付そのものについては就活の「3月1日」「6月1日」「10月1日」は誰が決めているのかに整理しました。この記事は、その日付と実態がどれだけ離れているかのほうを見ます。
エントリーシートの初提出は9月以前が約4割
資料にはこう書かれています。
学生アンケートによれば、エントリーシートを最初に提出した時期は、卒業 ・ 修 了前年度の9月以前が約4割と、広報活動開始の3月の約1割を上回っている。
9月以前が約4割に対して、3月は約1割です。 「解禁日」とされている3月のほうが、むしろ少数派になっています。
「卒業・修了前年度の9月以前」というのは、いま大学3年生の人にとっては、まさに今この時期を含みます。
説明会の初参加も9月以前が約7割
同じ段落に、企業説明会やセミナーの数字も出ています。
また、企業説明会やセミナー等への参加時期は、卒業 ・ 修 了前年度の 9 月以前に最初に参加したと回答する者が約7割と増加する一方、本来は参加のピークとなる広報活動開始の3月に最初に参加した割合は約1割と減少している。
こちらは約7割対約1割で、差はさらに開きます。3月に「これから始まる」つもりでいると、周りは半年前から動いていることになります。
インターンシップから選考につながる割合
もう一段前の入口も数字になっています。
インターンシップ等(インターンシップと呼称されるものを含む。以下同じ 。) には学生の約7割が参加しており、学生の参加は卒業 ・ 修 了前年度の 7 月から本格化している
そして、参加した後の流れがこう続きます。
- インターンシップ等への参加者の約7割が「早期選考の案内」を受ける
- 約6割はその後の「採用説明会・セミナー」に参加
- 約5割はその後の採用試験や面接等を受ける
約5割が採用試験や面接まで進む、という数字が重要です。 採用試験にはWEBテストが含まれます。夏のインターンシップに参加した人の半数近くが、その延長で受検の場面に来る、という並びになります。
面接と内々定の時期も出ています。多くの大学で3年次の授業が終了する2月以降に、最初に採用面接や内々定を受けたと回答した学生が増加し、4月までに累計で学生の約9割が採用面接を受け約7割が内々定を得ている、と書かれています。
活動期間は9カ月以上が約5割に増えた
期間についての記述もあります。
学生アンケートでは、就職・採用活動に、9 カ月間程度以上の期間を要している学生の割合は、令和2年度の約 3 割から令和 6 年度では約5割へ増加している。
約3割から約5割へ、という変化です。9カ月というのは、たとえば秋に始めて翌年の初夏までかかる長さです。短期決戦を想定した準備の組み方だと、途中で息が切れます。
企業側の充足状況も出ています。企業が採用予定数を充足できたとする割合は近年減少し、直近(2025年卒)では3割台にとどまる、と書かれています。
WEBテストの準備をどこに置くか
以上の数字を、WEBテストの準備という一点に絞って並べ直します。
| 時期 | 資料に出ている実態 | 準備として意味があること |
|---|---|---|
| 3年生の7月〜 | インターンシップ等の参加が本格化 | 受ける形式の名前を覚える |
| 3年生の9月以前 | ES初提出が約4割、説明会初参加が約7割 | 案内から形式を判別できるようにする |
| 3年生の2月以降 | 最初の面接・内々定が増え始める | 形式ごとの科目に手を付ける |
| 卒業年度の3月1日 | 広報活動開始(日程ルール上) | 判別に時間を使わない状態にしておく |
| 卒業年度の6月1日 | 採用選考活動開始(日程ルール上) | ― |
参考までに、適性検査そのものがどれだけ使われているかの数字も見ておきます。リクルートマネジメントソリューションズが学生向けに公開している適性検査「SPI」とは?には、就職みらい研究所『就職白書2022』からの抜粋として、適性検査・筆記試験(対面・Web含む)の実施率が90.1%、面接(対面)が87.0%と載っています。面接より実施率が高い工程なので、面接の時期が前倒しになれば、受検の時期もそれより前に来ます。
準備の中身も、時期によって変わります。 9月以前にやる価値があるのは、問題を解く練習より先に「自分が何を受けるのか」を特定できるようにしておくことです。受検案内が一度に何通も届く時期になってから形式を調べ始めると、そこで時間を落とします。
手元の案内から形式を絞るなら受検案内の情報から形式を判別する道具を使ってください。何を見れば分かるかは自分が受けるWEBテストの形式が分からないときに確認する順番に書いています。
対策の時間そのものの作り方はWEBテストで落ちる時期を、先に抜ける、学年別の目安は28卒のWEBテスト対策はいつから始めるかにまとめました。夏の選考で落ちた形式を秋に潰す話は夏に落ちた形式を、9月にもう一度調べ直すにあります。
形式ごとの科目と解き方は普通の就活記録 WEBテスト解答集(1,480円・税込・買い切り)に主要17形式ぶんをまとめています。
数字を自分の予定に落とす手順
- 自分が「9月以前に動いた約4割」に入っているかを確認する。 ESを1通も出していないなら、まだ多数派の側ではありません。焦る材料ではなく、位置を知るための目盛りとして使ってください
- インターンシップに参加したなら、早期選考の案内が来る前提で考える。 参加者の約7割が案内を受ける、という数字です
- 9カ月かかる想定で配分する。 一気に詰めるのではなく、形式の判別・科目の把握・時間を計った練習の3つに分けます
- 3月と6月は目印として残す。 日程ルール上の日付なので、案内が増える時期の予測には使えます
よくある質問
Q. この数字は28卒に当てはまりますか?
資料自体が2027年度卒業・修了予定者、つまり2028年3月卒業予定の学年に向けたものです。ただし引用されている調査は、それより前の学年を対象にしたものです。傾向を見る材料として扱うのが妥当です。
Q. 3月まで何もしなくても間に合いますか?
公開情報からは断定できません。分かっているのは、ES初提出が9月以前に約4割、説明会初参加が9月以前に約7割、4月までに約9割が採用面接を受けている、という調査結果までです。判断はこの数字を見てご自身でしてください。
Q. インターンシップに参加していないと不利ですか?
資料にそのような記述はありません。書かれているのは、参加者の約7割が早期選考の案内を受ける、という事実だけです。参加していない場合に何が起きるかは触れられていません。
Q. WEBテストの実施時期そのものの統計はありますか?
この資料には、適性検査やWEBテストの実施時期を単独で示した数字は出てきません。分かるのはES提出・説明会・面接・内々定の時期までです。WEBテストはその選考フローの中に置かれるので、面接より前に来ると読むことになります。