普通の就活記録 ── WEBテストのメモ
就活ノウハウ

就活の「3月1日」「6月1日」「10月1日」は誰が決めているのか

この記事の内容は 2026-09-07 時点のものです。

「就活は3月解禁」「面接は6月から」という言い方をよく見かけます。ところが、それを誰が決めていて、どこに書いてあるのかまで説明している記事はあまりありません。守らないと違反になるのか、という点もはっきりしません。

決めているのは、内閣官房に置かれた省庁の会議です。企業を法的に縛るものではない、と原文にはっきり書かれています。 その日程の出どころを一次資料でたどります。以下は2026年9月7日時点の記載です。

目次

  1. どこに書いてあるのか
  2. 28卒に適用される3つの日付
  3. 「法的に拘束するものではない」と書かれている
  4. なぜ毎年決め直しているのか
  5. WEBテストはこの3つの日付のどこに来るか
  6. 3年生の秋にこの日程をどう使うか
  7. よくある質問

どこに書いてあるのか

出どころは内閣官房の就職・採用活動日程に関する関係省庁連絡会議というページです。ここに、年度ごとの「就職・採用活動日程に関する考え方」がPDFで置かれています。

このページには、会議の設置理由がこう書かれています。

2018年における一般社団法人日本経済団体連合会による「採用選考に関する指針」の廃止方針、就職問題懇談会の「座長声明」等を踏まえ、学生が学修時間を確保しながら安心して就職活動に取り組むことができるよう検討を行うため、就職・採用活動日程に関する関係省庁連絡会議を開催。

つまり、以前は経団連が指針を出していました。それが2018年に廃止される方針となったため、政府側が引き継ぐ形になりました。開催状況の一覧を見ると、会議の第1回は平成30年10月15日です。直近の第13回は令和7年12月26日でした。

28卒に適用される3つの日付

いま大学3年生(2027年度卒業・修了予定者)に当たるのは、令和7年12月26日付の「2027年度卒業・修了予定者の就職・採用活動日程に関する考え方」です。原文の「3.連絡会議としての考え方と結論」に、次の3つが並んでいます。

(1)広報活動開始:卒業・修了年度に入る直前の 3 月 1 日以降 (2)採用選考活動開始:卒業・修了年度の 6 月 1 日以降 (3)正式な内定日:卒業・修了年度の 10 月1日以降

同じ段落には「従来同様、下記の日程ルールを原則とする」と書かれています。この3つの日付自体は、2017年度の卒業・修了生以降ずっと変わっていません。同じ資料の中に、その説明もあります。

日付の読み方に注意が要ります。「卒業・修了年度に入る直前の3月1日」なので、2028年3月に卒業する人にとっては2027年3月1日です。 卒業する年の3月ではありません。

「法的に拘束するものではない」と書かれている

読者にとって一番大事なのは、この一文です。

企業の採用活動は、本来企業自身による自由な経済活動の性格を有するものであり、本要請は、企業の採用活動を法的に拘束するものではないが、我が国の持続的な成長を支える若年人材を育成するため、学生が学業等に専念し、安心して就職活動に取り組める環境の実現を目指して行うものである。

要請であって、規制ではありません。 だから「6月まで面接は無い」という前提で予定を組むと、実際とズレます。ズレの大きさも、同じ資料に数字で出ています。

  • 広報活動を2月以前に開始した企業は約6割
  • 採用選考活動を5月以前に開始した企業は約7割
  • それに伴い5月以前に内々定を出した企業は約6割

これは文部科学省が企業を対象に行ったアンケート調査の結果です。資料はその数字を紹介しています。資料はこれを受けて「現行の日程ルールと実態との乖離が見てとることができる」と書きました。

なぜ毎年決め直しているのか

会議は毎年開かれ、そのたびに「考え方」がまとめ直されています。直近の資料では、今後の見直しに向けた議論があったことも書かれています。大学側の就職問題懇談会からは、一つの考え方が説明されたとあります。採用選考活動は学期期間中には行わず、卒業・修了前年度の春休み以降の長期休業期間に行うべきだ、という中身です。

一方、経済界からは新卒での採用枠の充足率が下がっていると指摘されました。中小企業では10月1日の時点で必要な内定者数を確保できていない状況も見られる、という記録もあります。資料は、2028年度(2029年3月)以降の卒業・修了予定者については「見直しの検討を進める」と結んでいます。

いま大学3年生の人に適用される日程は決まっています。その下の学年の日程は、今後変わる可能性があります。

WEBテストはこの3つの日付のどこに来るか

日程ルールの3つの日付には、適性検査やWEBテストという言葉は出てきません。書かれているのは広報活動・採用選考活動・正式な内定日の3つだけです。

では実務としてどこに来るのか。リクルートマネジメントソリューションズが学生向けに公開している適性検査「SPI」とは?には、企業がSPIの結果を次のように使っていると書かれています。

  • 選考・面接で応募者を理解するための参考情報
  • 入社後の配属先を決めるための参考情報
  • 入社者を配属先の上司に理解してもらうための参考情報

1つめが選考の場面です。同じページには、採用活動ごとの実施率の表も載っています。就職みらい研究所『就職白書2022』からの抜粋です。適性検査・筆記試験(対面・Web含む)が90.1%、面接(対面)が87.0%です。書類選考は82.2%、面接(Web)は78.4%でした。

適性検査の実施率が面接より高い、という並びになっています。 面接の前に置かれる関門です。面接が動く時期より前に受検が来ると考えるほうが、実態に合います。インターンシップの選考に付く場合は、さらに前倒しになります。

自分が受ける形式は特定できているでしょうか。まだなら受検案内の情報から形式を絞る道具を先に使ってください。学年別の対策時期は28卒のWEBテスト対策はいつから始めるかに書きました。内定までの並びは内定承諾までのスケジュール表に整理しています。

3年生の秋にこの日程をどう使うか

3つの日付をそのまま予定表にすると、実態から遅れます。使い方はこうです。

  1. 3月1日を「一斉に案内が届く日」として構える。 エントリーが増えれば受検案内も増えます。形式の判別に手間取る余裕が無くなるのはこの時期です
  2. 6月1日を締切ではなく目印として扱う。 5月以前に選考を始めた企業が約7割、という数字のほうを予定の前提に置きます
  3. 10月1日は正式な内定日であって、活動の終わりではない。 「内定式に出た時・正式な内定通知を受けた時」を就職活動の終わりと考える学生は、約1割弱に過ぎません。資料にはその調査結果も出ています

WEBテストの準備に引き直すと、動くのは3月ではなく、その前の秋から冬ということになります。冬インターンの選考に何が来るかは28卒の冬インターンWEBテストはいつ来るかにまとめました。

形式ごとの科目と解き方は普通の就活記録 WEBテスト解答集(1,480円・税込・買い切り)に主要17形式ぶんをまとめています。

よくある質問

Q. この日程を破った企業は罰せられますか?

資料に「本要請は、企業の採用活動を法的に拘束するものではないが」と明記されています。罰則の記載はありません。要請という位置づけです。

Q. インターンシップの選考は日程ルールの外ですか?

資料には、専門活用型インターンシップ(実施期間は2週間以上)についての注が付いています。参加した人材の採用選考活動開始の例外は、従前のとおりとする、という中身です。それ以外については、本文に指摘がありました。インターンシップ等が実態上は採用活動につながっている、という内容です。

Q. 「オワハラ」への相談先はどこですか?

相談先は資料の注にあります。都道府県労働局・ハローワークにおいても、学生からの相談を受けつけ、相談者の意向も確かめたうえで、事実確認の上で適切に対処する、と書かれています。都道府県労働局・ハローワークと大学のキャリアセンター等の窓口が連携する、という記載もありました。

Q. 来年の日程は変わりますか?

2027年度卒業・修了予定者については、この資料で決まっています。2028年度(2029年3月)以降については、見直しの検討を進めると書かれています。公開情報の範囲では確定していません。

この記事を書いた人

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