就活の3月1日・6月1日・10月1日は8年間変わっていない:内閣官房の資料を並べる
この記事の内容は 2026-09-07 時点のものです。
3月1日に広報活動が始まって、6月1日から選考、10月1日に内定式。この3つの日付は毎年ニュースになりますが、去年と同じなのか、今年から変わったのかは、ニュースを見ているだけでは分かりません。
3つの日付は2020年度卒から2027年度卒まで一度も変わっていません。 内閣官房が公開している資料を、古い順に開いて確かめました。以下は2026年9月7日時点の記載です。
目次
資料はどこにあるか
内閣官房のサイトに就職・採用活動日程に関する過去の考え方等というページがあります。平成30年10月29日から令和6年12月5日までの資料が、そこにPDFで置かれています。最新年度分は就職・採用活動に関する要請のページにあります。
作っているのは「就職・採用活動日程に関する関係省庁連絡会議」です。関係省庁として、資料には内閣官房・文部科学省・厚生労働省・経済産業省の4省庁が挙げられていました。
8年分の日付を並べる
各年度の資料に書かれている日程をそのまま並べます。
| 対象 | 資料の日付 | 広報活動開始 | 採用選考活動開始 | 正式な内定日 |
|---|---|---|---|---|
| 2020年度卒 | 平成30年10月29日 | 3月1日以降 | 6月1日以降 | 10月1日以降 |
| 2021年度卒 | 令和元年10月30日 | 3月1日以降 | 6月1日以降 | 10月1日以降 |
| 2022年度卒 | 令和2年10月29日 | 3月1日以降 | 6月1日以降 | 10月1日以降 |
| 2023年度卒 | 令和3年11月29日 | 3月1日以降 | 6月1日以降 | 10月1日以降 |
| 2024年度卒 | 令和4年11月30日 | 3月1日以降 | 6月1日以降 | 10月1日以降 |
| 2025年度卒 | 令和5年12月8日 | 3月1日以降 | 6月1日以降 | 10月1日以降 |
| 2026年度卒 | 令和6年12月5日 | 3月1日以降 | 6月1日以降 | 10月1日以降 |
| 2027年度卒 | 令和7年12月26日 | 3月1日以降 | 6月1日以降 | 10月1日以降 |
正確な表記は毎年同じで、次の3行です。
・ 広報活動開始 :卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降 ・ 採用選考活動開始:卒業・修了年度の6月1日以降 ・ 正式な内定日 :卒業・修了年度の 10 月1日以降
8本すべてでこの3行が同じです。 日程の詳しい読み方は就活の「3月1日」「6月1日」「10月1日」は誰が決めているのかにまとめました。
なぜ毎年決め直しているのか
同じ内容なのに毎年資料が出るのは、決め方が変わったからです。2022年度卒以降の資料には、同じ文面で経緯が書かれています。
学生の就職・採用活動日程については、2017 年まで①日本経済団体連合会(以下「経団連」という。)による「採用選考に関する指針」の策定、②就職問題懇談会による「申合せ」、③関係省庁(内閣官房、文部科学省、厚生労働省及び経済産業省)による経済団体等への「要請」というプロセスにより毎年度定められてきたが、2018 年 10 月、経団連は今後「採用選考に関する指針」を策定しない方針を表明した。
その後の運びはこう書かれています。
以来、政府において、学生が学修時間等を確保しながら安心して就職活動に取り組むことができるよう、毎年度、関係省庁連絡会議を開催し、当該年度の大学2年次に属する学生等の「就職・採用活動日程に関する考え方」をとりまとめ、就活・採用活動日程を決定することとした。
大学2年生の時点で、その学年のルールが決まるという順番です。つまり資料が出たとき、対象の学生はまだ2年生です。3年生になってからニュースで見るころには、決まってから1年以上が経っています。
ルールは変わらないのに、実態は動いている
資料には毎年の調査結果も載っていて、そこに早期化の数字が並んでいました。
資料には、学生向けのアンケート調査の結果が載っています。「現在の開始時期が良い」と答えた割合は、次のとおりです。
| 資料 | 広報活動開始 | 採用選考活動 | 正式内定 |
|---|---|---|---|
| 2024年度卒(回答5,652名) | 約36.8% | 約32.1% | 約43.7% |
| 2025年度卒(回答4,965名) | 34.4% | 30.9% | 47.5% |
| 2026年度卒(回答5,045名) | 36.3% | 32.9% | 49.8% |
現状の開始時期でよいと答えた学生は、広報活動開始については3割台にとどまります。 一方、ルールが必要かどうかを聞いた設問では、答えが違いました。2025年度卒の資料が広報活動・採用選考活動・正式内定のいずれの段階でも約7割、2026年度卒の資料が約7〜8割と書いています。ルール自体は要るが今の日付でよいとは限らない、という分かれ方です。
2025年度卒の資料には、学生の指摘として「面接などの選考活動を早期に開始する企業があり混乱した」(48.1%)も載っています。
経済団体側の数字は、別に取られていました。加盟企業等へ要請事項を「周知した」とする団体の割合は、2024年度卒の資料で約68%、2025年度卒・2026年度卒の資料ではいずれも約62%です。
つまり、日付は動かないが、その日付が現場で守られているとは資料自身も書いていないという状態が続いています。実際の動き出しの時期は就活が実際に動き出すのは何月かに、政府の調査の数字で整理しました。
経済団体への調査の規模
各資料には、その前の年度の要請がどう伝わったかを調べたフォローアップ調査の回答数が脚注に載っています。
| 掲載されている資料 | 回答団体数 | 回答率 |
|---|---|---|
| 2021年度卒(令和元年) | 360団体 | 約32% |
| 2022年度卒(令和2年) | 311団体 | 約25% |
| 2023年度卒(令和3年) | 395団体 | 約31% |
| 2024年度卒(令和4年) | 379団体 | 約30% |
| 2025年度卒(令和5年) | 387団体 | 約31% |
| 2026年度卒(令和6年) | 393団体 | 約30% |
回答率は6年とも25%から32%の範囲です。 回答していない団体が7割前後いる、という前提で読むことになります。
27卒・28卒として何を読み取るか
- 3つの日付は覚え直さなくてよい。 8年変わっていません
- 自分の学年のルールは2年生のときに決まっている。 資料は対象年度で探せます
- 今年から前倒しになった、という話が出たら、要請の枠外の動きです。 日程そのものは変わっていません
- 選考が早い企業は珍しくない。 現状維持でよいと答える団体が3〜4割という数字がそれを示しています
WEBテストの準備をいつから始めるかは、この日付ではなく手元の締切から逆算するほうが実際的です。学年別の考え方は28卒のWEBテスト対策はいつから始めるかにまとめました。内定までの全体像は内定承諾までのスケジュール表にまとめました。
形式ごとの科目と解き方は普通の就活記録 WEBテスト解答集(1,480円・税込・買い切り)に主要17形式ぶんをまとめています。
よくある質問
Q. 8本の資料に、日付が変わった年はありませんか?
ありません。今回、内閣官房の公開ページに置かれている2020年度卒から2027年度卒までの資料を確認しましたが、3つの日付はすべて同じでした。
Q. インターンシップの扱いは変わっていませんか?
日程の3つの日付とは別に、令和5年4月10日付で「インターンシップを活用した就職・採用活動日程ルールの見直しについて」という資料が出ています。詳しくはインターンシップから6月を待たずに内々定が出せる仕組みにまとめました。
Q. このルールに従わない企業は罰せられますか?
罰則についての記載は資料にありません。資料に書かれているのは、政府が経済団体・業界団体等に対して遵守等を「要請」する、という形です。
Q. 2028年度卒の資料はいつ出ますか?
公開時期の予告は、内閣官房のページには載っていませんでした。直近3年は11月下旬から12月下旬に出ています。