「非言語」「計数」「数理」は同じ科目なのか
この記事の内容は 2026-09-07 時点のものです。
玉手箱の案内には「計数」と書かれ、TG-WEBの説明には「数理」と出てきて、対策本には「非言語」と書いてある。同じ勉強でよいのか、それとも別々に用意するのか。
言葉としては近いものを指していますが、出題の作業はまったく違います。提供元が公開している科目名と、その科目で何を測ると書かれているかを並べます。名前ではなく説明文を見ると、区別がつきます。
目次
- 提供元が使っている科目名を並べる
- 「計数」の中身は3種類に分かれる
- 「言語」の中身も3種類に分かれる
- 「数理」「判断推理」はTG-WEBの言葉
- SPIの「非言語」について確認できたこと
- 何を先に用意すればよいか
- よくある質問
提供元が使っている科目名を並べる
まず、公開ページに書かれている科目名をそのまま拾います。
| 提供元・製品 | 公開されている科目名 |
|---|---|
| SPI3 | 能力検査、性格検査 |
| 玉手箱Ⅲ | 計数理解テスト(四則逆算)、言語理解テスト(大意把握)、英語、パーソナリティ |
| GAB | 言語理解テスト(論理)、計数理解テスト(図表理解)、英語(大意)、パーソナリティ |
| CAB | 四則逆算、法則性、命令表、暗号、パーソナリティ |
| IMAGES | 言語理解テスト(大意把握)、計数理解テスト(暗算)、英語(大意把握)、パーソナリティ |
| TG-WEB | 判断推理力検査 i9、考察力検査 C3、事務処理能力検査 J3、一般常識検査 P3 ほか |
ここで気づくことが2つあります。ひとつは、「非言語」という言葉がどの提供元の公開ページにも出てこないこと。もうひとつは、同じ「計数理解テスト」でも括弧の中身が違うことです。
「計数」の中身は3種類に分かれる
日本エス・エイチ・エルの製品では「計数理解テスト」という同じ名前が使われていますが、括弧の中が違うと作業が別物になります。
四則逆算(玉手箱Ⅲ・CAB)
簡単な四則演算を組み合わせた等式中の未知数を求めるための、迅速で正確な「推理能力」を見ます。(玉手箱Ⅲ)
様々な等式中の、未知数の数字を求める問題を通して、おおよその答えを速く正確に求める能力を測定します。(CAB)
式の中の空欄を埋める作業です。CABの説明には「おおよその答えを速く正確に」とあり、精密な計算より速度が問われる設計だと読めます。
図表理解(GAB)
図表を理解する能力、また四則演算や百分率計算を正確に速く行える能力、求められている解答を得るためにもっとも効率的な作業手順を案出する能力を測定しています。
計算に入る前に、まず図表を読む工程があります。読み取りの速度が計算の速度と同じくらい効くのがこの科目です。
暗算(IMAGES)
簡単な四則演算の正解を5つの選択肢から推測によって選び取ることが求められています。正確な計算能力よりも、スピーディーな推理能力が必要であり、解くための考え方(戦略的手順)の発見が鍵となります。
選択肢から選ぶ形式で、公式に「正確な計算能力よりも」と書かれています。全部きっちり計算する解き方は、この科目では設計と合いません。
つまり「計数」とひとまとめにして練習すると、少なくとも3つの別作業を混ぜることになります。 どれに当たるかは受ける形式で決まるので、先に形式を絞るほうが先です。
「言語」の中身も3種類に分かれる
同じことが言語側でも起きています。
- 大意把握(玉手箱Ⅲ・IMAGES):「1000文字程度の長さからなるエッセイを読み、筆者の訴えたい趣旨を正確に判断する能力を測定します」
- 論理(GAB):「400字から800字程度の『主張をもった文章』を読ませ、受検者が、『主張を訴えるために書き手が用意したロジック(論理)をどこまで正しく理解しているか』を測定しています」
- 英語(大意):「50~80語程度の英文を読み、設問に対する解答を英語で選択します」
文章の長さからして違います。1000文字程度と400〜800字程度では、読む速度の作り方が変わります。玉手箱の言語でつまずく場所は玉手箱の言語でつまずくところにまとめています。
「数理」「判断推理」はTG-WEBの言葉
ヒューマネージのラインナップページでは、検査ごとに測るものが1行で説明されています。
- 判断推理力検査 i9:「言語・数理に関する論理的思考力を30分の検査で測定します」
- 考察力検査 C3:「文章を的確に理解する力、数理問題を論理的に解釈する力を測定します」
- 事務処理能力検査 J3:「限られた時間の中で正確な処理ができるかどうかを測ります」
- 一般常識検査 P3:「国語、英語、数学、時事の4つの分野から知識レベルを測ります」
「数理」はここで使われている言葉です。i9については「30分の検査」と時間まで書かれています。
注目したいのはP3で、国語・英語・数学・時事の知識を測ると明記されている点です。他社の製品ページには「学力ではなく、業務遂行に求められる知的能力を測定しています」と書かれています。P3だけはこの書き方をしていません。知識を測る、と書いてあります。同じ「WEBテスト」でも、対策の方向が逆になる科目が存在するということです。TG-WEBの呼び方の問題はTG-WEBの「従来型」「新型」は公式の呼び方ではないにも書きました。
SPIの「非言語」について確認できたこと
SPIについては、提供元の公開ページで確認できたのは次の区分までです。
SPIのテストは、働く上で必要となる基礎的な能力を測る「能力検査」と人となりを測る「性格検査」があります。
内訳としての「言語」「非言語」は、同社が学生向けに公開しているSPIの能力検査とは?のほうに書かれています(2026年9月7日に確認)。「能力検査の問題は、「言語分野」と「非言語分野」の2種類があります。言語分野では、「言葉の意味や話の要旨を的確に捉えて理解できるかどうか」、非言語分野では、「数的な処理ができるか」「論理的思考力があるかどうか」を測定しています」という説明です。提供元の呼び方は「言語分野」「非言語分野」で、対策本で使われる「言語」「非言語」はその略し方に当たります。 出題例はSPIの能力検査ではどんな問題が出るのかに整理しました。検査時間については「実施方法とテストの種類によって異なります」とだけ書かれています。
一方、英語については独立した検査として扱われていることが分かります。テストセンターのよくある質問には「性格検査、能力検査、英語能力検査はいずれも前回結果送信をすることができますか?」という項目があり、3つが並列に置かれています。また「英語検査の有無は企業によって異なります。実施しない企業の場合は英語検査を受検する必要はなく、また受検できません」とも書かれています。
SPIで英語が出るかどうかを、自分では選べません。決めるのは企業です。
何を先に用意すればよいか
順番はこうなります。
- 形式を絞る。 科目名が分からないうちに勉強を始めると、3種類ある「計数」のどれかに賭けることになります
- 科目名を案内から拾う。 「四則逆算」「図表理解」「命令表」といった言葉が書かれていれば、そこで形式もほぼ決まります
- 説明文に合わせて解き方を選ぶ。 「正確な計算能力よりも」と書かれている科目に、全問筆算で挑むのは設計と合いません
- 電卓の可否を確認する。 科目によって効き方が変わります。詳しくはWEBテストで電卓が使える形式・使えない形式に書きました
案内の記載から候補を絞るなら、WEBテスト形式判別ツールを無料で置いています。形式ごとの科目と解き方は、普通の就活記録 WEBテスト解答集(1,480円・税込・買い切り)に主要17形式ぶんをまとめています。
よくある質問
Q. 「計数」の対策を1つやれば全形式に効きますか?
効く部分と効かない部分があります。四則演算の速度はどの科目でも土台になりますが、それだけでは足りません。図表理解には読み取りの工程が、暗算には選択肢から絞る手順が別に要ります。GABの計数の説明には「求められている解答を得るためにもっとも効率的な作業手順を案出する能力」とあり、手順そのものが測定対象に入っています。
Q. 数学がどこまで必要ですか?
提供元は範囲を公開していません。ただし玉手箱Ⅲ・GAB・IMAGESの各ページには共通して「学力ではなく、業務遂行に求められる知的能力を測定しています」と書かれています。学校の数学の進度を追いかける方向ではない、と読めます。例外はTG-WEBの一般常識検査P3で、こちらは「国語、英語、数学、時事の4つの分野から知識レベルを測ります」と明記されています。
Q. 「推論」という科目名はどこの言葉ですか?
確認した時点では、SPI・日本エス・エイチ・エル・ヒューマネージのいずれの公開ページでも、「推論」という独立した科目名は見つけられませんでした。近い言葉としては、ヒューマネージの「判断推理力検査 i9」、玉手箱Ⅲの四則逆算の説明にある「推理能力」、CABの暗号の説明にある「背後に隠されている構造や関係を推理する能力」があります。市販の対策本で使われている章立ての名前と、提供元の科目名は一致しないことがあります。
Q. 科目名が案内に書かれていない場合はどうしますか?
受け方と所要時間から絞ることになります。ただし所要時間だけでは決め手にならない理由を所要時間からWEBテストの形式を絞れるかに書きました。判断がつかない場合は、企業の問い合わせ先に科目の構成を確認するのが確実です。検査の内容そのものは提供元が答えない方針ですが、実施する科目の構成は企業側の情報です。