適性検査が長くなるのは、企業が組み合わせて出しているから
この記事の内容は 2026-09-07 時点のものです。
受検案内に書かれた所要時間を見て、思っていたより長いと感じることがあります。60分、90分と書かれていると、そんなに難しい問題が並んでいるのかと身構えます。
この記事では、提供元が公開している組み合わせ例と料金表から、1回の受検がどう組み立てられているのかを読みます。先に結論を書くと、長いのは問題が難しいからではなく、検査が複数積まれているからです。 以下は2026年9月7日時点の記載です。
目次
- 検査は1本ずつ売られている
- 企業向けに組み合わせ例が公開されている
- 2検査目以降は1件あたり500円
- AI監視をつけるのも500円
- 別の提供元の料金表を見る
- 受ける側にとって何が変わるか
- よくある質問
検査は1本ずつ売られている
ヒューマネージのTG-WEBは、能力を測る検査が6種類、性格や行動を測る検査が8種類、それぞれ別の製品として並んでいます。ラインナップのページにはこう書かれています。
TG-WEBは、企業ごとに最適な使い方ができる多彩なラインナップをご用意。自社に必要な視点の組み合わせと活用を行うことで、さまざまなフェーズの人材戦略を実現します。
「組み合わせ」が前提の売り方です。 中身の一覧はTG-WEBの知的能力検査は6種類あると性格検査が8種類ある形式にまとめました。
企業向けに組み合わせ例が公開されている
同じサイトには、組み合わせ例のページがあり、目的別に5つの型が並んでいます。
| 目的 | 組み合わせ |
|---|---|
| ハイパフォーマーの採用 | A8 + B5 + i9 |
| 不正を抑止 | B5 + i9 + TG-WEB eye |
| 問題社員の見極め | B5 + G9 + W8 |
| 早期離職防止 | G9 + Q1 |
| タレントマネジメントへの活用 | A8 + G9 + Q1 + B5 |
新卒採用で名前が挙がっている型を見ると、能力検査1本に性格系が1〜2本という構成です。 「不正を抑止」の型についてはこう説明されています。
新卒採用で一般的な知的能力+性格検査にオンライン採用に求められる公平性・公正性の視点を担保したAI監視型WEBテスト方式を加えた人気の組み合わせです。
i9が30分、B5が15分なので、この組み合わせだけで45分になります。案内の所要時間が長い理由は、たいていここにあります。
2検査目以降は1件あたり500円
組み合わせ例のページには、どの型にも同じ注記が付いています。
※複数の検査種類を組み合わせる場合、2検査目以降のテストは1件あたり500円となります
企業から見ると、検査を1本足すコストが受検者1人あたり500円だということです。 3本の型なら1人あたり1,000円が上乗せされます。100人が受ければ10万円です。
この数字が受ける側にとって意味を持つのは、検査が積まれているのは企業が意図してお金を払った結果だ、という点です。ついでに付いてきたものではないので、どの検査も見られていると考えたほうが実態に合います。
AI監視をつけるのも500円
同じ提供元のTG-WEB eyeのページにも料金の記載があります。
適性検査「TG-WEB」の受験料+500円で提供しています。
AI監視型についてはメリットも3つ挙げられていて、企業側が何を買っているのかが読み取れます。
- 事前予約が不要:「いつでも都合のよい時に自宅等から受検できます。時差も関係ないので海外からの応募者もいつでも受検できます」
- 低コストを実現:「AIが監視するので、低コストで替え玉受験やカンニング対策が実現できます」
- 実施人数に上限なし:「AIが監視するので、会場のキャパシティは無限大です。予約枠の上限もありません」
会場の予約枠を気にしなくてよくなる代わりに、監視が付く形です。 監視つきの受検で当日までに何を準備するかは監視つきのWEBテストとは何かにまとめました。
別の提供元の料金表を見る
金額を公開しているのはヒューマネージだけではありません。日本経営協会総合研究所の基礎能力 SCOA-Aのページには、実施方式ごとの料金表が載っています(いずれも1名分・税別)。
| 区分 | マークシート方式 | テストセンター会場 | OLTC併用 |
|---|---|---|---|
| セパレート(SCOA-Aのみ) | 2,000円 | 4,000円 | 4,500円 |
| セット(SCOA-BまたはCと同時) | 3,000円 | 4,500円 | 5,000円 |
基本料金(契約料金)は0円と書かれています。ここでも「セット」という区分があり、2本目を足すと1人あたり500円〜1,000円上がるという構造は同じです。
紙で実施すると安く、会場や監視つきにすると高くなる、という関係も読み取れます。マークシート方式が今も残っている理由の一つはここにあります。
受ける側にとって何が変わるか
- 長い=難しい、ではない。 10分の検査が積み重なっているだけの場合があります
- 途中で画面が切り替わっても終わりではない。 検査が変われば設問の毛色も変わります
- どの検査も企業がお金を払って選んでいる。 性格系だからといって流し見されているとは限りません
- 予約枠が要らない形式が増えている。 締切直前でも受けられる代わりに、監視の条件を満たす環境が要ります
案内に検査名が書かれていない場合の準備は案内に「適性検査を実施します」としか書かれていないときに、形式の絞り込みはWEBテスト形式判別ツールにまとめています。形式ごとの科目と解き方は普通の就活記録 WEBテスト解答集(1,480円・税込・買い切り)に主要17形式ぶんを収録しています。
よくある質問
Q. 受検料は学生が払うのですか?
いいえ。ここで挙げた金額は、いずれも提供元が企業向けに公開している料金です。応募者が支払う費用ではありません。
Q. 何本組み合わされているか、受ける前に分かりますか?
案内に検査名や所要時間が書かれていれば手がかりになります。組み合わせの内訳そのものを応募者に知らせる決まりは、公開ページからは確認できませんでした。
Q. 途中で休憩は取れますか?
検査ごとの中断・再開の可否について、今回確認した各ページには記載がありませんでした。形式ごとの中断の扱いは性格検査はいつまでに受ければよいかを参照してください。
Q. 組み合わせが多い企業ほど選考が厳しいのですか?
そうとは言えません。公開ページで説明されているのは、採用後の配置や育成にも使うという目的です。見極めの厳しさと本数の関係を示す記載はありませんでした。